究極ウンチ地獄絵図

逃げ場なし

【シカトリス】と言う訳で、お前らにシカトリスを押し付ける【感想】

爛漫な子がマゾだと興奮する

2023/6/29に日本一ソフトウェアからリリースされた新作RPG「シカトリス」。

昨年末あたりから前情報一切なしに広告を掲示していたので「スマホゲームか」と思っていたら日本一のコンシューマーゲームだったので、大変驚いていたことが記憶に新しい。

 

先日勢いに任せてストーリーをクリアしたのでばっつりと感想を。

クリア難易度はハード。時間は20時間強。結構スマートなボリュームです。

 

シナリオ

ホームページや体験版からはかなりダークな雰囲気をもった学園ものというイメージでしたが蓋を開けてみると、自身の過去やトラウマに向き合う少年少女たちとそれを見守り導く大人たちの物語といったかなり前向きで明るいストーリー。

あらすじは元AUT(異能犯罪を取り扱う特殊部隊)の主人公が7人のAUT候補生の教員となり、その学生生活の中で起きる「悲劇」を回避するために何度もやり直す。というループもの。

細かく言うとここに「連続する事件の裏で暗躍するある人を追う」という真相に迫るという話も絡んでくるんですけれど、それよりもこの学園ジュブナイルのテイストが強くそれでいて面白いのでこれだけでもかなりオススメできる。

心のうちに潜む自分自身と戦い向き合う。心に負った傷を退け、受容する。

時間を共にすることで友情を育く成長していく生徒たちが織り成す学園生活は適度な青臭さがあり、7人の生徒たちはそれぞれ愛着を持てる良いキャラクター性があります。みんな上城が好き。私も好き。

基本は明るい学園生活ですが一度惨劇に突入してしまうと……

温度差。

 

システム

「異能×学園」ということで生徒たちは授業を通じてその能力を強化させていく。

授業で基礎力が成長しスキルを覚えていく

授業でスキルを獲得し、戦闘や訓練を通してステータスが上がる、というサイクルで生徒たちは成長。

取得経験値は全生徒一律なので、生徒間にレベル差は出ないのですが、授業での基礎力の上昇量やスキル取得はランダム。同じように訓練していても各生徒でスキルの習得度合いは都度変化しますし、同じ生徒であってもループごとにまた違った習熟のしかたをする。

これが周回を前提としているゲームのシナリオと上手く嚙み合っていて面白い。

「今回こいつ打たれ弱すぎるマンになっちゃった」とか「ちょっと男子、女子が物理ゴリラになってるじゃない」と叫びながら周回してます。その姿をみたモト春樹さんに南米北部に生息しているといわれるシカトリスサケビオオタヌキ(スズメ科)と間違われて飼育されてしまったのが私。今鳥かごの中からこれを書いてる。

覚えられるスキルは全300種以上!

ステータスのランダム要素もふまえると組み合わせがよいスキルも変わってくる。おそらくだけど一回の射精で出る精子の数とほぼ一緒ぐらいあります。無限。

スキル構築する時間が面白すぎる。時間を返せ。

スキルの中には日本一ソフトウェアの他ソフトでも登場したようなものがあり思わずニヤリとしてしまう。

 

バトル

 

「生徒の提案を採用する」というコマンドバトル。4人の戦闘員がいながらも1ターンに1つの選択しかできない上、生徒がしてくる提案はバトル直前に登録したスキルの中からランダム。

ここだけみれば面白みゼロですが、ここからがシカトリス。

敵の攻撃に対してカウンターをしかけたり状態異常に反応して攻撃したり、仲間の特定の技に反応してバフをかけたり等、選んだ選択や相手の動きによって、スキルが連鎖して1回2回3回…と行動が増えていくんです。

TCGドミニオンのようなデッキ構築などの面白さを多分に含んだバトルシステムといえるのではないでしょうか。

スキルは登録すればするほど、手数が増えるけれどランダム要素が強くなるので一長一短で、ここも頭を抱えさせる面白いポイント。

提案されるスキルはランダムとは言っても体力が減れば回復スキル。相手にバフがかかれば打消しスキルなどある程度生徒汲んでくれますので、思い通りの提案が上がると結構うれしい。思わず心象が教師になっちまったな。

結構ハードな難易度だと思う局面もありましたが、「ゲームオーバーを是としている」ところを加味すればこれぐらいがちょうどいいかも、と思いました。

 

 

まとめ

年頃の生徒たちとそれを導く主人公の青春を描くストーリーと、点在する「悲劇」の影。

育成やステータス周りの数値がしっかりと可視化されていて、データをとったりするのが楽しく、バトルも一工夫があり、スキル取得のランダム性と強敵の存在によって無数の戦術が編み出る面白さ。

 

ゲーム全体のボリューム感は抑え目ですが、しっかりと独自の面白さが込められた名作だと感じました。